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プリンで繋がる人たちの輪Producer interview

黒河内  貴さん

伊那市 株式会社仙醸 黒河内 貴さん

老舗の酒蔵で作られる甘糀(あまこうじ)

まず、仙醸さんのことについてお伺いしてもよいでしょうか。

はい。株式会社仙醸は伊那市高遠にある酒蔵です。創業は慶應2年なので、老舗の蔵になると思います。
日本酒をはじめとする焼酎、リキュールなどの酒造りが主になっています。
酒造りには高品質の仕込み水と地元産原料の米を使用していて、水は南アルプスの伏流水を地下60mのところから汲み上げて使用していて、米はひとごこち、美山錦、金紋錦、山恵錦といった長野県産米を使用しています。
毎年季節のイベントへの出店も行っており、自社では仙醸蔵まつりや仙醸新酒祭りなどといったイベントを開催しています。今はなかなかこういったイベントを開催するのが難しい時になってしまいましたが、それでも仙醸のお酒を地元のみなさまが愛してくれているのは本当にありがたいなと思っています。


プリンに使用されている甘糀とはどんなものでしょうか?

甘糀は米糀からつくられますが、甘酒を濃く作るというか…水を少なめにあまり水っぽくならないように仕込むと、甘酒のように飲み物というよりは甘さも濃いジャムのようになります。それを使っていただいています。
甘糀がどういうものに使われているかというと、砂糖の代わりに甘さをたす要領で使われています。 甘糀のもともとはお米ですが、お米のでんぷんはブドウ糖がいくつも繋がるとデンプンになるんです。なのでお米はブドウ糖の塊なんです。砂糖を足さなくても甘くなるので、砂糖が少なくて済む点がいいと思います。甘糀本来の優しい甘さが引き立っていると思いますよ。


甘糀プリンが誕生したきっかけ

甘糀とおもてなしプリンのコラボのきっかけはなんでしたか?

大芝荘さんでお酒も扱ってもらっているので、1回お酒を収めている人たちが集まって、楽しく飲む機会があって。
もともと繋がりがありましたね。

そこで繋がりがあってということですね。最初にそのプリンと甘糀を組み合わせてプリンを作りたいとなったときの率直な感想はどうでしたか。

元々甘酒を濃く作ったというのも、甘味料として甘さを足すために、お砂糖以外のものを使う、そういったことで使えるんじゃないかという思いがありました。
なので、プリンにしていただいて、どういう味がするんだろうな~とは思いましたけど、すごく驚いたということは無かったですかね。使っていただける用途がまた増えたなと思って嬉しかったです。


おもてなしプリンはコラボをする前にもご存知でしたか?

よく新聞では掲載されていたので存在は知っていましたがまだ食べた事がなかったんです。
その後Hさんが甘糀プリンの試作品を持ってきてくれて食べたんですけど、プリンの中に甘糀をいれるだけじゃなくて、ソースにして、最後に上から甘酒をかけるっていう食べ方だったので「こういう風な使い方もあるんだな」と初めて食べたときに思いました。想像では中に、プリン自体に入っているイメージだったのでなるほどなと思いましたね。



のびのび自由な大芝高原でうまれる
大芝高原のおもてなしプリン

おもてなしプリンの魅力はなんだと思いますか?

プリンを嫌いな人ってほとんどいなくて、誰がたべても美味しいと思うんです。そんな中でいろんな地元の材料を使ったプリンって、
どんな味がするんだろうってみんな興味を持つと思います。しかもあんこや甘酒など何種類もコラボしていて、コラボ先が近くにあるから、さらに好奇心が満たされるところが魅力的だと思います。

そのおもてなしプリンを生み出す大芝高原はどういうところだと思いますか。

近いので元々知っているからですけど、非常に豊かな村ですよね。人口も減っていないですし、大学もあって、保育園から小中高・大学まで
全部揃っていて、それがしかもコンパクトですよね。だけど、中心に広々とした森がある。人口が減っておらず、若い世代が多いっていうのもわかる気がしていています。
大芝の湯はイルミネーションとかライトアップのイベントだったり、アットホームで堅苦しくない。大芝高原って割と新しくって、
自由に何をやっても怒られない感じがあって、その中でのびのびやっているのがHさんってイメージです。

先ほどもちらっとお話しいただきましたが、仙醸さんはお酒のイベントも開催されているんですね。

蔵で10月の第三日曜日にお客様を呼んで、お酒も呑めて、見学もできて、この地域のいろんなお酒に合いそうな食べ物を食べれるというイベントを秋と桜が咲く春に土日二日間やっています。そのときにも甘糀プリンを販売していておかげさまで大人気だったんですけど、2020年はやはりコロナの影響で春と秋と両方中止にしましたね。こういったイベントの場がなくなると楽しみにしていた方達にも申し訳ないなと思うのですがやはりこのご時世はなかなか難しいですよね…。



夢が広がる、試しに作ってみる。

そのおもてなしプリンを一言で表すとなんだと思いますか?

夢のある一つの実験だと思います。
おもてなしプリンが夢があるのは、結構実験ができるからですよね。それは割とサイズが小さいからできるんだと思うんです。
例えば、1個甘糀で作ろうってなって1万個できてしまったら、これどうやって売るかってなりますよね。
食品の製造って上伊那・大芝の湯で売れるくらい作るとかだったらいいんですけど、ある程度の規模例えば10人くらいスタッフがいてってなると、やっぱり売る数も何万個作らないと採算が合わないていうことになるんです。なので、そんなに色々なものって作れなくて、売れるものだけに絞る、そういう風になってくるんです。

10種類くらいのものを調達して出来るということは、小規模だからできるのもあって、それってお酒も一緒なんですね。
どちらかというとうちは大きすぎる設備があって困っているというか、いろいろ実験したいんだけれども、なかなかそれができないっていうので。
ただこの冬、少量だけお酒を造れるように、すべての設備が小さい1つのラインを作りました。 なので、こんなお酒を造ってみたいっていうのがこれから出来るようになりました。
また、酒作りって寒い冬の時期だけなんですよね。
冬に作ったものを春とか夏秋で継続的に売っていくんですけど、小さいサイズでお酒作りができると、冷蔵庫に全部入ってしまうくらいなので、極端な話、夏でもちょっと計画になかったけど、こういうの作ってみようってなるので、それによって面白いお酒、夢のある実験がお酒の部分で出来るようになるっていう点では共通していますね。


夢のあるコラボですね。

規模ていうのはね、もの造りでは結構制約される。小さければ小さいものにも難しさはあるんですけどね…笑



株式会社仙醸

Ooshibakougen no omotenashi

信州(長野県)の南信に位置する南箕輪村、大芝高原。
この地でこのプリンは誕生しました。プリンを通して様々な人の手や想いが加わったプリンは
まさに南箕輪村の「輪」のプリン。
とろける口当たりと優しい甘さ。一度食べたら忘れられない味。
信州南箕輪村大芝高原のおもてなしとしてお土産に、ちょっとした贅沢おやつに。
あなたのそばに南箕輪村大芝高原のおもてなしをお届けします。